T 〜裂かれたおもひ〜


Tender  Sky
 虚空への階段を お前は駆け抜けてしまった。
 俺の手の届かぬ高みへと お前は行ってしまった。

 急ぐ必要などなかったのに――
 のんびりとしていれば、よかったのに――

 今、お前は、その場所から何を見ているのか。
 俺の姿は見えているのか。

 待っていろ。
 いつか俺の手が、お前に届くまで。
Twenty Years
20年に3日足りない君の時間
摘み取られ、止まってしまった君の時間

二十歳の誕生日に贈るはずだった珊瑚のイヤリングを
棺に納める……手向けの花とともに

これが、君への最後のプレゼントになってしまった
Time Lag
愛してはいけない人だと知っていた
あなたには、帰りを待つ人がいるのだと……
傷つける結果にしかならないと……

それでも
あなたを追わずにはいられなかった
それが あなたを困らせるとわかっていても
少しでもあなたを感じていたくて
少しでもあなたに触れていたくて

はじめから 独り占めできるなどとは思わなかった
否、それは嘘  自分の心についた嘘

本当は、あなたをここから帰したくない
このまま閉じ込めてしまいたい

もっと早くに出会っていれば、あなたを独占することも可能だったのか

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