新しい年を迎えた佐和山――
「めでたいですな」
左近が祝い膳の用意をします。
「殿の生誕450年を祝えるとは、実にめでたい」と左近。
「普通、これは、自分で祝うものじゃないぞ」と殿。
↑
まあ。当然ですが。ここは【そういう世界】なんですから。
「祝いに鯛を用意しましたよ。若狭から運ばせました」
「いや。俺は、魚は……」
「まあ、そう言わずに。祝いの縁起物ですから。それに、ちゃんと野菜の煮しめも用意しましたよ」
重箱を提げ台から外して自宅で使うのは、江戸時代中期からですが。
【そういう世界】ゆえ…アリということで。
「左近の心づくし、いただこう」
殿と左近と差し向かいで。
「ところで。大量の酒があるように思うのだが」
↑
そうなんです。スクショには映っていないところにも酒があるんです。
「いや、殿のご心配には及びません。松の内には左近が全部片付けておきますから」
* * *
このあと、二人は露天風呂へ。
今年もこの世界の佐和山は、平穏に過ぎていきそうです。
めでたい。めでたい。
* * *
ところで――
更にこのあとは??
●●はじめですか??